sexta-feira, 9 de dezembro de 2011

伯宮幸明 ロハスピ・コラム

http://ameblo.jp/column-takamiya/entry-11098279850.html



アズワンコミュニティ鈴鹿を訪問して

テーマ:ブログ
2011-12-05 09:48:10
どしゃぶりの中、鈴鹿山脈の山道を走る。土山から亀山に抜ける国道1号線はカーブが多い。といっても道幅が十分あるので、熊野から土山に抜ける道に比べたら全然走りやすい。

日野町は三重県との県境に位置し、鈴鹿山脈を越えると反対側は三重県だ。綿向山や僕が竹を切っている水無山も鈴鹿山脈に属し、鈴鹿山脈というのは僕にとって庭のような存在になりつつある。

そう、そして、今日は鈴鹿に向かっている。鈴鹿サーキットに行くためではない。アズワンコミュニティ鈴鹿を訪問するためだ。

アズワンコミュニティについてはEDEの鎌田さんからチラッと聞いたぐらいで、詳しいことはほとんど知らなかった。

今回、ジュレー・ラダックがアズワンコミュニティ訪問ツアーを組み、スカルマ・ギュルメットさんも来るということで、思い切って参加してみることにした。スカルマさんとは2006年からの知り合いで、地球祭に出演してもらって以来、年に一回ぐらいは必ずどこかで出会っていた。最近では『幸せの経済学』の試写会でインタビューさせてもらった。

『幸せの経済学』試写会動画レポート

僕らはまず鈴鹿カルチャーステーションという場所に集合した。ここはカフェにもなっていて、講演会やコンサートなどのイベントも定期的に開催され、アズワンコミュニティのメンバーや地域の人たちが集える場所となっている。


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鈴鹿カルチャーステーション

ツアーの参加者は東京、名古屋、島根、そして滋賀から集まり、まずみなで自己紹介をした。アズワンのメンバーも何人か同席した。

鈴鹿カルチャーステーションの代表理事を務める坂井和貴さんがコミュニティの説明をした。アズワンカンパニー、アズワンコミュニティ、鈴鹿カルチャーステーション、サイエンズスクール鈴鹿、サイエンズ研究所といろいろ出てきて、正直のところどういう場所なのかよくわからなかった。会社なのか、コミュニティなのか、学校なのか。

部分、部分はわかるのだが、全体像が掴めない。で、結局のところ、ここは何なのだ。

アズワンカンパニーというのは会社であり、いくつかの事業を展開させている。お弁当屋さん、農場、工務店、不動産屋、人材派遣業など。

その後、カルチャーステーションを後にして、街のはたけ公園という所に行った。

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この日は雨で地面が濡れていたので長靴にはき替える。ここは地元のショッピングセンターの協力で1.5ヘクタールの畑を借りた場所。市民農園、学校の体験学習、シニアの活動の場などに利用されているそうだ。

こことは別に出荷用のアズワンファームという農場がある。

続いてアズワンカンパニーの事業のひとつである「おふくろさん弁当」を訪問する。アズワンファームでとれた野菜を使った弁当屋で、地域の人に手作り弁当を販売している。学校から注文が来ることもあるという。


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こうした職場にはコミュニティのメンバーも勤務していれば、そうでない人もいるという。従ってアズワンカンパニー・イコール・アズワンコミュニティではないようだ。実際、コミュニティのメンバーといっても、誰がメンバーで誰がメンバーでないかもはっきりしていないようで、自分がメンバーかどうかわからない人もいる。それだけ境界線がはっきりしていないということで、いろいろな人が出入りしている。

職場にはルールのようなものがないという。遅れてきても誰も咎められない。みなが仲良く、心地よい雰囲気で働けることを目指しているようで、上下関係も存在しないという。何でも話し合える空間にしている。給料も各自異なり、会社と話し合って決めるのだそうだ。休日もそう。週休3日の人もいれば2日の人もいれば1日の人もいる。それぞれの希望や必要に応じて決めるそうだ。もちろん会社の必要もあるので、双方の希望や条件を出し合い、話し合ってお互いにとってベストな状況を選ぶのだという。

その後、お肉とやおやさんという店に行った。


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ここでは鈴鹿山麓産の豚肉や野菜などが売られている。街のはたけ公園でシニアのメンバーがつくっている野菜も売られている。


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そして、ここではリンカという地域通貨を使用することも可能だ。


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これがリンカのカード。全額リンカで買えるものもある。街のはたけ公園でシニアがつくっている野菜はすべて全額リンカでも買えるようだ。

その後、鈴鹿カルチャーステーションに戻り、サイエンズスクール鈴鹿とサイエンズ研究所の説明を聞いた。

サイエンズスクールというのは人としての成長をサポートする教育機関で、様々なセミナーを開講している。マイライフセミナー、内観コース、自分を知るためのコース、自分を見るためのコース、人生を知るためのコース、社会を知るためのコースなど。

コミュニティのメンバーの多くがこれらのセミナーを受けていて、ここで共有される価値観、考え方、姿勢がコミュニティをつなぎとめるグルー(接着剤)の役割を果たしているのだろう。

サイエンズ研究所というのは、そうした事柄を研究する場所のようだ。スクールで開講するセミナーも、それ自体が完成版ということではなく、参加者のフィードバックを基に研究し、改善すべきところは改善していくという。コミュニティの生活から見えてくること、アズワンカンパニーという職場で見えてくることも研究材料になり、そこでも改善が行われていくそうだ。つまり研究所というのは、コミュニティを停滞させることなく、常に進化し続ける場にするために重要な役割を果たしているようだ。

宿泊先はセミナーハウスだった。サイエンズスクールが提供するセミナーの多くが泊りこみの合宿形式で、ここで開催されるらしい。宿泊施設にもなっている。


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夕食の風景

夜はツアー参加者とコミュニティのメンバーで集まり、懇親会を開いた。


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懇親会ではアズワンコミュニティについてやラダックについての情報交換が行われた。参加したコミュニティのメンバーに女性が何人かいたことも印象的だった。

コミュニティのメンバーはだいたい100人ぐらいいるそうだが、メンバーと非メンバーの境界線がはっきりしておらず、正確な人数は誰もわからないという。共同生活をしているわけではなく、世帯はそれぞれ別々だ。ただ、みな近所に住んでいる。ここは鈴鹿市の中心だが、ほとんどが歩いて行き来できるぐらいの界隈に住んでいるという。従って同じ屋根の下でこそ生活をしていないものの、行き来は頻繁にあり、みな家族のような付き合いだという。大多数の人たちがアズワンカンパニーに所属し、共に仕事をしているので昼間接する時間も長い。カンパニーが複数の会社に分かれているので、接するといっても全員が顔を合わせているわけではないが。

ミーティングも、個々のミーティングはあっても、全体ミーティングのようなものはないそうだ。

そして、メンバーと自覚していない人たちの中にも、アズワンカンパニーのパート社員や、サイエンズスクールの受講生、鈴鹿カルチャーステーションが提供する講演会やコンサート等の常連客、街のはたけ公園の利用者等、何らかの形でコミュニティに関わっている人たちもたくさんいて、そうした周辺の人たちも含めると数はさらに多くなる。

ここがこのコミュニティの全体像をわかりにくくしている要因かもしれない。境界線がはっきりしていないので、どこからどこまでが何でどこからどこまでが何なのかが見えにくいのだ。

結局、僕は訪問中は最後までその辺がよくわからなかったのだが、後になってわかってきて、また、わかりにくいこと自体がコミュニティの良さであることもわかった。

翌日の午前中は植樹体験をした。里山を再生するプロジェクトで、広葉樹が増えるようにコナラやクヌギなどを植林しているのだ。炭焼きも復活させようとしている。これは僕がまさに今熊野でやりたいと思っていることだ。


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ここにはこうした様々なプロジェクトがある。これは一種のサークル活動のように、やりたい人が手を挙げて始めていることだという。街のはたけ公園での活動もそうだが、参加者はコミュニティのメンバーに限定されていない。

その後はお茶会を体験した。


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そしてコミュニティ食堂にて昼食。


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コミュニティのメンバーやそれ以外の人たちも入れる家庭レストランだ。

これで、「普段着で探訪DAY」のツアーは終了。

午後は、鈴鹿カルチャーステーションのイベントとして「ラダックmeetsスズカ」という写真トークショー&ワールドカフェが行われた。プレゼンをしたのがスカルマさんとジュレー・ラダックのメンバー。


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ラダックでのコミュニティのあり方とここ鈴鹿で行われている取り組みを見ながら「未来へと続いていくコミュニティの姿」について話し合う。

ラダックとはヘレナ・ホーバーグ・ホッジさんの『ラダック―懐かしい未来』にも登場する北インドにある地域のことで、持続可能で相互扶助的な地域社会が存在していた。

詳しくはジュレー・ラダックのサイトをhttp://julayladakh.org/ 

ここまでがツアーだ。

アズワンコミュニティというのは僕の目にどう映ったのだろうか。

ひとつは今までにない形のコミュニティであるということ。木の花ファミリーのようなコミュニティとも違うし、僕が移住者ネットワークと呼んでいる鴨川や小川町のような場所とも違う。トランジション・タウンとも違う。ひとつの枠組みに収められない不思議な場所だ。

強いて定義付けするなら、エコビレッジか、共通の目的を持った生活集団という意味のインテンショナル・コミュニティと言えるのだろうか。

ここでも多くのことが自然発生的に起きてきたが、共通の目的を持って何人かが集まり、意図的にコミュニティづくりをしたという点では、やはりインテンショナル・コミュニティだと思う。鴨川や小川町の場合、意図する人が誰もいなかったのだから。

では共通の目的とは何なのか。「誰もが家族のように親しく安心して暮らせる社会を作ろう」ということのようだ。

そして、その方法論をサイエンズ研究所で研究し、できあがったノウハウをサイエンズスクールで共有しているのだろう。

だから、やはり核になっているのがサイエンズというもので、そのあり方を実社会において実践する場がアズワンコミュニティであったり、アズワンカンパニーだったりするのだろう。

となると、気になるのが、サイエンズの中身なのだが、僕もそれについてはまだよくわからない。スピリチュアルなものではなさそうだ。誰かが神がかって得たビジョンに基づいて生まれたわけではない。彼らは科学という言葉を使っている。生き方、社会のあり方、人との関わり方を科学するということなのだろうか。

僕の感覚では、心理学的な要素(サイコセラピー、自己啓発セミナー等で扱われる手法)が大きく影響しているように見える。ただ、それも何か固定された体系に基づくというより、白紙の状態で人間や社会を観察し研究する、オリジナルのもののようだ。

ここの素晴らしい点は、自由意志というものを尊重し、特定の思想体系を上から押し付けるということがない点だ。科学と呼んでいるのも、常に観察、実験を繰り返しながら研究し、改善の余地を残そうとしているからだろう。

そして、その姿勢があらゆる所で表れている。ひとつはサイエンズのセミナーを受けることがコミュニティに入る条件になっていないことだ。フィンドホーンでさえも(さえもというのはフィンドホーンは自由意志が大きく尊重されている場所だから)体験週間プログラムを受けることが条件になっているのに、ここではそうでない。

自由に意見を言い合える空間をつくりあげていて、どんな意見でも尊重されるという。それが咎められたり、反対されたりすることはないという。

そのために上下関係を取り払い、誰もが対等な立場で意見を言い合える雰囲気ができている。

また、ここにはリーダーがいない。アズワンカンパニーには代表取締役がいるが、その人がリーダーというわけでもないという。ツアーの指揮を取った坂井さんがリーダーというわけでもないらしい。(実際、坂井さんが指揮を取っていたのかもどうかわからないほど入れ替わり立ち替わり別の人がガイドを務めた)

もうひとつは職場というものが提供され、コミュニティのメンバーが外に仕事に出て現金収入を得る必要がないこと。そしてその職場が心地よい労働環境を提供していること。利益を上げることや会社を維持することよりも何よりも、働く人が心地よい状態で働けるということを優先している。ほとんどの職場が(エコ的な商品やサービスを提供しているような所でも)、理想はそうであっても、二つを天秤にかけなければならなくなった時、前者を優先せざるを得ないというのが現状だと思う。しかし、ここでは、後者が優先できないのなら事業をやめることまで覚悟しているのだ。

また、アズワンコミュニティ、アズワンカンパニー、サイエンス研究所、サイエンズスクール鈴鹿、鈴鹿カルチャーステーションなどが相互につながっていることが、ホリスティックな展開を可能にしていること。例えば、サイエンズスクールのセミナーで学んだことを実践する場があり、そして実践の場で気づいたことがさらにセミナー作りにも反映させられている。

では、ここには問題点はないのだろうか。強いて挙げるのなら循環型のライフスタイルが徹底されているわけではないということだろうか。都市型のコミュニティであることや、自給自足や小さな農ということには大きく意識が向けられていないように見えた。(もっとも、多様なニーズに応えるためには都市型も必要なので、まして鈴鹿のような小都市での試みなら、十分ありだとも思っている)

同時にそれがここの良さでもある。循環型のライフスタイルが徹底されるということは、そうしたことが上から押し付けられやすくなってしまうことにもなる。自由意志を尊重するということにコミットした場合、メンバーが望むのであれば、そうでないライフスタイルを選択する自由も認めることになる。

これは非常に重要なポイントで、自由意志の抑圧は多くの理想郷づくりが陥りやすいことだ。特に僕のような純粋な理想主義者は要注意。(笑)

そして、今の形はあくまでも2011年の時点における途中経過であり、今後このコミュニティがどう進化していくかには、様々な可能性が残されているのだろう。

また、これはすべて僕が2日間の訪問で感じたことであり、実像の10分の1も掴めていないと思う。訪問者は歓迎しているようなので、直接訪れ、自分の目で確認してみるのが一番いい。

アズワンコミュニティ鈴鹿

アズワンカンパニー

サイエンズ研究所

サイエンズスクール鈴鹿

鈴鹿カルチャーステーション

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